東海道中膝車２　品川～川﨑

平成１４年４月２８日

　―品川神社で新調のお神輿のお披露目に遭遇―

(平成16年4月17日更新)

【本日の行程：街道距離10km】
品川駅（11時）→品川宿（11時30分）→品川神社（12時50分）→鈴が森の刑場跡（14時50分）→多摩川（六郷川）（17時）→川崎宿（17時10分）→京浜急行川崎駅（17時35分）

・品川駅の前にある鉄道記念碑の裏には、当時（明治5年5月7日）のダイアと運賃があった。横浜品川間が35分と意外に早い。

品川駅前鉄道記念碑

上り　　　　　　　　　　　　　　下り
横浜発　　　品川到着　　　品川発　　　　横浜到着　
午前8字　　8字35分　　午前9字　　　午前9字35分
午后4字　午后4字35分　午后5字　　午后5字35分
　　　賃金　
車の等級
上等　　　　　片道　壹円五拾銭
中等　　　　　同　　壹円
一等　　　　　同　　五拾銭

・高輪プリンスのタワーが3日前の今年（平成14年）4月25日に完成したことを大々的に宣伝していた。10の映画館とアイマックスシアターがある。

・御殿山ヒルズのある御殿山は、現地の説明書では源頼朝の家臣品河三郎や太田道潅が居を構え、徳川家康が狩猟の休息所として御殿を設けたことからこう言われるようになったとのこと。東京国道工事事務所のウォーキングマップによると「参勤交代の諸大名送迎のための御殿があった場所」とある。

・八ツ山橋を渡り、京浜急行線北品川駅の側の踏切を渡る前に「旧東海道（品川宿）入口」の案内板がある。そこからは、車もほとんど通らず、歴史街道として整備が進んでいる。

品川宿入口

・「問答河岸跡の碑」の由来が面白い。家光が「海近くして如何がこれ東海寺」と問うたのに対し東海寺の住職沢庵が答えていわく。「大軍を指揮して将軍と言が如し」。

・品川宿では、弥次郎兵衞が「海辺をばなどしな川といふやらん」と難じた上の句に北八は「さればさみづ（鮫洲）のあるにまかせて」と応じている。

・左手土蔵相模跡は、高杉晋作、伊藤博文など維新の志士が集まって密議をした旅籠屋だ。司馬遼太郎の世に棲む日々に再三登場する｡

・街道を左にそれて鯨塚のある利田神社は「かがた」と読む。

・「お休み処」には、地図と湯茶が置いてある。歩っ歩さんの心づくしのおにぎりをほおばる。品川神社のお神輿が新調されて、本日午後1時からお披露目のための神輿巡行があるという情報もここで入手。まるで一歩が祭事研究家と知って合わせてくれたようなタイミングのよさだ。

・「台場小学校」があり、校庭にお台場の記念碑があった。ペリーの浦賀来航の後、11の砲台（台場）を造る計画を持った。計画どおりには造られなかっが、唯一の陸続きのお台場が御殿山下お台場と言われ、この地に造られたそうだ。

お台場記念碑

・街道松が所々にあるが、東海道のよしみで浜松から送られた松だそうだ。

・品川宿本陣跡は今公園になっている。

品川宿本陣跡

・品川神社と荏原神社は、かつて平成8年に祭りの見学に来たことがあったことを思い出した。

・さっきの情報に基づき、高い石段を上り、品川神社から新調のお神輿が出発したのを見た。きれいだ。葵の紋があるのが印象的だった。

品川神社新調神輿

・海雲寺の「平蔵地蔵」の由来は、興味深かった。３人で暮らしていた乞食の一人平蔵が多額の金を拾い、落とし主に正直に届けたが、他の２人から余計なことをしたと凍死させられた。その平蔵の霊を慰めるために落とし主が造ったもの。

・「涙橋」は、鈴ヶ森の刑場に引かれる罪人と涙の別れをした場所。長崎街道にも類似の場所「別れの松」が佐賀の嘉瀬津にあったのを思い出す。

・鈴が森の刑場跡は、なんとなく不気味だった。弥次郎兵衞は、「おそろしや罪ある人のくびだまにつけたる名なれ鈴がもりとは」と詠んでいる。説明を聞くだけで合掌もしない最近の中高年を憂えた近くの寺の住職が書いた警告文がかけられていたが、改めてわが身を反省した。たまにこういう辛口のお説教もいい。

鈴が森刑場跡左磔台右火炙り台

・平和島口から左斜め前方に大森まで続く「三原通り」は、北原、中原、南原に由来し、「美原通り」と美称されている。大田区の中では旧街道の面影が最も残っている場所だ。

三原通り

・六郷神社は、大きな敷地があり、立派な神社だ。ここには六郷橋の標柱がある。敷地が広いので探すのに苦労した。

六郷橋標柱（六郷神社）

・多摩川は、この辺りでは「六郷川」と呼ばれ、家康のときに橋がかけられたが、たびたび氾濫するため、渡し舟で渡っていた。「六郷の渡し跡」「日本橋へ四里半」の標柱が北野神社にある。北野神社には８代将軍吉宗の乗馬が暴れたとき天神様の御加護で落馬を止めたという伝説がある。村人は、「落馬止め天神」、後に単に「止め天神」と言い、災難を止めてくれる神としてあがめている。

六郷の渡し跡の標柱（北野神社）（左）　と　六郷橋（右）

・「六郷渡れば川崎の・・・」の歌の通り、多摩川を渡ると川崎宿だ。ここも案内標識が整備されていて、「旧東海道」の標識に沿って行けば、道に迷わなくてすむ。田中本陣と呼ばれる本陣跡にも標識がある。川崎宿は宝暦11年（1761）の大火でほぼ全焼したそうだ。京浜急行川崎駅のすぐ南、「砂子１丁目」の交差点の手前にある案内板は、地図も大きくて見やすい。

・今日は、京浜急行川崎駅までとした。

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